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04/03木、風力問題

 ■風車46基、国内最大の風力発電稼働 田村など4市町村に整備

2025/04/03 10:20

 福島復興風力(福島県田村市)は2日、田村、大熊、浪江、葛尾の4市町村にまたがって整備した阿武隈復興風力発電所が商業運転を開始したと発表した。風車計46基を有し、発電出力約14万7千キロワットは陸上では国内最大。発電した電力は全量を住友商事が買い取り、再生可能エネルギーを推進する県内の企業や自治体を中心に供給し、地産地消も進める。

 福島復興風力は住友商事やJR東日本エネルギー開発、ふくしま未来研究会など9社が出資した合同会社。発電所の年間想定発電量は約12万世帯分の消費電力量に相当する。

 同社は当初、発電した電気を電力会社に売電する固定価格買い取り制度(FIT)の導入を検討していた。しかし、県内で再エネを推進し、地産消費につなげるため、事業者などの需要家らに直接販売できる制度を取り入れた。

 発電所は「新エネ社会構想」に基づき、県などの補助を受けて整備された。売電収入の一部は県などでつくる県再生可能エネルギー復興推進協議会を通じて、発電所の立地市町村などの復興支援事業に活用される。

 運転期間は2045年3月までの20年間で、それ以降の稼働も検討している。葛尾村にある変電設備用地には、環境教育などで活用してもらう展望エリアを設置した。




■朝日新聞記事

「国内最大級」の風力発電計画、地元・長浜市の審議会委員に業者幹部

平岡和幸2025年4月2日 9時00分

 滋賀県長浜市は、市の次期総合計画を策定する審議会(委員15人)の環境分野担当の委員に、市北部の山間部で大規模な風力発電を計画している事業者幹部を選んだ。希少な動植物の環境が損なわれるなどとして、計画に反対している自然保護団体は「市が計画推進の立場と受け取られても仕方がない偏った人選」と批判している。


 自治体の総合計画は将来の目標やビジョンを示し、行政運営の指針となるもの。市の次期総合計画の期間は2027~38年度の12年間。審議会委員は文化、教育・子育て、医療・健康、商工業、学識経験者、若者など15分野から、市にゆかりのある各1人を選んだ。4月22日に第1回審議会を開き、浅見宣義市長が正式に委嘱。今後2年間かけて計画を策定する。


「国内最大級」とされた計画

 環境分野の委員に選ばれたのは、再生可能エネルギー大手で国内各地で風力発電所を手がける「グリーンパワーインベストメント」(GPI、東京)の陸上風力事業開発本部副本部長。現在は長浜市在住で、市の環境担当部署から推薦があったという。総合計画の担当者は「事業を通じた環境分野での経験を計画策定に生かしてもらうのが目的。委員の所属する団体や特定の活動を市が支援するという意図はない」と説明する。


 GPIの風力発電計画は「(仮称)余呉南越前第一・第二ウィンドファーム発電事業」。当初、長浜市と福井県南越前町にまたがる山林約830ヘクタールに風車39基(最大出力16万3800キロワット)の建設を計画。陸上の風力発電では国内最大級の規模とされた。


 しかし、GPIが作成した環境影響評価(アセスメント)の準備書について、経済産業相や滋賀、福井両県知事が23年、予定地や周辺で希少なブナ林の群落や、絶滅が危惧されるイヌワシ、クマタカの鳥類が確認されており、豊かな生態系を損なう恐れがあると指摘。計画の抜本的な見直しや追加調査、専門家による検討会の設置などを求めた。これを受けてGPIは昨年7月に開いた第1回の環境配慮検討会で、39基としていた風車を減らす方針を示した。


 日本イヌワシ研究会によると、国の天然記念物で絶滅危惧種のイヌワシは国内に約450羽が生息。計画地に極めて近い滋賀県側、福井県側の山林に各1ペアがいて繁殖地としているという。


 また、GPIの調査では、計画地周辺ではクマタカの11ペアが確認されており、個体密度が高い状態で生息している。


 日本イヌワシ研究会の須藤明子会長は「総合計画は自治体の最上位に位置づけられる重要な長期計画。風力発電は各地で希少動物の生息地に計画され大きな問題になっている。賛否が分かれる事業の推進側の人物が、市の長期計画策定の環境分野を担うのは大きな違和感がある」と疑問視している。



■ → 「大船渡第一・第二太陽光発電所事業 環境影響評価準備書」に対する意見

投稿日: 2025年4月1日 

日本イヌワシ研究会は、自然電力株式会社に対し、イヌワシに象徴される貴重な自然環境を蔑ろにする「大船渡第一・第二太陽光発電所事業計画」の白紙撤回を求めます。






■ → 幌延町 風力発電所で国の絶滅危惧種オジロワシなど衝突相次ぐ

04月02日 16時44分

道北の幌延町にある風力発電所で、先月までの2年間に国の絶滅危惧種や天然記念物に指定されているオジロワシとオオワシあわせて11羽が風車に衝突して死んだり、負傷したりしていたことが分かりました。

風力発電所では先月下旬からすべての風車について日中の稼働を中止しバードストライク防止に向けた対策の改善を始めているということです。

大手風力発電会社の「ユーラスエナジーホールディングス」が幌延町で運営する風力発電所「浜里ウインドファーム」には国内最大級の高さおよそ150メートルの風車14基が備えられています。

会社によりますとこの風力発電所では稼働開始から先月までのおよそ2年間で、いずれも国の絶滅危惧種や天然記念物に指定されているオジロワシ9羽とオオワシ1羽が風車に衝突して死んだほか、オジロワシ1羽が負傷したということです。

会社ではバードストライク防止のために鳥が警戒する目の模様を描いたり、風車のタワー部分にカメラやスピーカーを設置して特殊な音を鳴らしたりして、対策を実施してきましたがオジロワシやオオワシの風車への衝突が相次いだということです。

このため先月25日からオジロワシなどが活動する日の出から日没までは、14基の風車すべての運転を停止しているということです。

会社は「責任を感じている。風車の運転を停止している間に対策の改善を行うとともに鳥類の専門家と連携しこれまでの環境アセスメントの検証などを行う」と話しています。


【昨年度 道内発生は17件 過去最多】

環境省によりますと昨年度に道内で発生したバードストライクは17件で、過去最多となっています。

このうち8件は道北の幌延町で運営されている「浜里ウインドファーム」で発生しているということです。

また、道内では昨年度までの22年間で、風力発電所の風車へのオジロワシとオオワシの衝突は102件発生しているということです。


【環境省 “予測は難しい 今後 評価手法の改善求められる”】

道北の幌延町にある風力発電所の稼働開始からおよそ2年間で環境アセスメントでの想定を上回る頻度でバードストライクが相次いでいることについて環境省は「バードストライクの予測は難しい。今後は評価の手法の改善が求められる」と話しています。

風力発電所をめぐっては大型の風車を建設する前に会社などの事業主が環境に与える影響を調査する環境アセスメントを実施し、環境省などが審査することが法律で義務づけられています。

大手風力発電会社の「ユーラスエナジーホールディングス」が道北の幌延町で運営する「浜里ウインドファーム」でも風車の建設前に環境アセスメントが実施されていました。

それによりますとおよそ2年間にわたる現地調査などを踏まえて会社が実施した環境アセスメントではオジロワシの衝突は20年間でおよそ8羽と算出されています。

しかし、この風力発電所では稼働開始からのおよそ2年間でオジロワシ9羽とオオワシ1羽が風車に衝突して死んだほか、オジロワシ1羽が負傷し想定を大きく上回る頻度で衝突が発生しています。

この状況について環境アセスメントを審査した環境省は「海ワシ類の飛翔の状況は年ごとに変動があり、限られた期間の現場調査ではバードストライクの予測は難しい。今後は調査の方法や評価の手法の改善が求められる」と話しています。



■ → “オジロワシ成育に影響” 太陽光発電施設の一部で建設中止へ

04月02日 18時45分

釧路湿原の周辺で建設が計画されている太陽光発電施設の予定地で国の天然記念物のオジロワシの巣が確認されたことから、計画を進める大阪の事業者が釧路市に対し予定地の一部で建設を中止する方針を伝えたことが分かりました。

一方、成育に影響が生じないとみられる場所では引き続き建設を進めるということです。

大阪市の事業者が、釧路湿原近くの市街化調整区域およそ27ヘクタールに太陽光発電施設を建設する計画をめぐっては、3月、予定地の周辺でオジロワシのメスが卵を抱いている様子が確認されたことから釧路市が事業者に対し、周辺への立ち入りを禁止する通告を出しました。

通告を受けて事業者が改めて予定地を調べたところ、巣が確認されたということで、2日、釧路市に対して予定地全体の1割近くにあたるおよそ2ヘクタールで建設を中止すると伝えたということです。

事業者はNHKの取材に対し、「希少生物の保護は重要で、最優先に考えている。一方で再生可能エネルギーの普及は不可欠とも考えていて、この区域以外の場所では希少生物への影響を最小限にする形で引き続き計画を進めたい」と話しています。

釧路湿原の周辺では、この事業者以外にも太陽光発電施設の設置を進める動きが相次いでいて、釧路市は地域の希少な生物に重大な影響を及ぼすと判断される場合は、設置を許可しないとする条例の制定を目指しています。


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■ 月刊『会津嶺』2025年4月号 26ページから29ページ

背炙山(せあぶりやま)の風力発電計画の撤回を

認定特定非営利法人 はるなか 顧問 佐藤光信