(ウィキペディア) ムシトリナデシコ Silene armeria は、ナデシコ科の越年草。ハエトリナデシコ、コマチソウ、ムシトリバナの別名がある。 原産地はヨーロッパで、現在は世界の温暖な地域に広く分布する。茎の高さ30-60cmに成長する。
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江戸時代に誰かが種子を日本に持ち込み、その種子が日本国内に拡がり、現在、奥会津の集落の土蔵等の軒下の乾燥した場所で自生し、種子散布により生息域を拡大している。
軒下は無水地区で土は灰のように細かな、こうした過酷な環境でムシトリナデシコは生き延びてきている。
シレネ、、、さくらこまち等で営利栽培品種が出回っているが、これはその源流にある野の花(多年草)である。
ニイツル(会津美里町新鶴地区)の菊地敏雄さんは、かすみ草圃場(パイプハウス)の、軒に近い場所でサクラコマチの株を維持されているので、かすみ草の視察に行くたびにそれを見ていた。
私が20~30代はじめの時に、イヌワシやクマタカの奥会津に生息繁殖している野生動物の保護活動を通じて出会った植物学者(会津生物同好会、塩川町)の先生と、山野を歩いているなかで、一度だけ阿賀川河川敷の植生調査に同行をしたことがある。
河川が増水するたびに流される、砂地、砂利、水の無い場所、、植物が根を下ろすための過酷な環境で、なぜ植物は生存できるのか?
河川敷を踏査するなかで、教えられたのは、温帯の日本列島のなかに、在来植物が密生し、土中には多くの種子が眠っており(凍結保存、シードバンク)、ある生育環境が出現すれば一斉にその環境に適合した植物の種子が発芽し群落を構成する。しかしその群落も環境変化で遷移して他の植物が優先していく、、、、
こうしたなかで、外来植物が入りこむ隙間はどこにも無い、、、唯一、過酷な環境だけ空き地があり、河川敷や崩壊地にのみパイオニア植物を受け入れる空間がある。
有名なのは戦後に堤防・河川敷に拡がったセイタカアワダチソウであるが、日本の同種のアキノキリンソウは、このように進出できていない。
奥会津の濃い赤紫のムシトリナデシコ(原種と推定)、、、、商品化する場合、呼称が新たに必要なのかもしれない、、、、
この生育場所は過酷な場所であるが、種子散布で拡散し多年草として毎年そこで花を咲かせるが、それを地域の人々は引き抜いたり、除草剤を散布して殺処分していない。
意図して残している。
6月6日の晩、かすみ草育苗ハウス脇の堤防に自生しているムシトリナデシコを採取し調整、エルフバケットにまとめた下中津川のふぢ子さんを訪ねて話を聞くと
「白い花が1株だけあった」という。
その株を残し来年種を取りましょう。
→ 奥会津ムシトリナデシコ海道
夕方、野の花を採花され(やまどり)、エルフに装填が終わられていたところに、訪問した。下中津川の本名正さん宅(正則さん、ふぢ子さん)。
60cm~40cm

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2019年5月22日、会津美里町新鶴地区 菊地敏雄さん圃場
営利栽培品種のサクラコマチは、
ほんのりとして薄いピンク。
先祖返りで
濃赤紫のムシトリナデシコが出現している様子