6月4日は午後から休業として、
三島町宮下の奥会津書房を訪ねた(会津学研究会の事務局)。
6月下旬の予定等について打ち合わせた。
その後、只見川左岸の道路を下流に向けて軽自動車にて走行し、集落調査を行った。
帰宅後、たまった新聞に目を通した。
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■ 6月3日の福島民報新聞の社会面は6段抜き・写真有りの大きな記事が掲載されており、販売に苦戦している現状がよく取材されている。前年同期比35%減の売り上げで、業務需要が無くなったための、ほぼ見立ての通りの展開となっている。
新戦略で花開け
新型コロナ 売り上げ減の花卉農家
個人向け商品など 販路拡大へ知恵絞る
との見出しで、葛尾村のかつらお胡蝶蘭合同会社の杉下博澄さん(39)、
川俣町山木屋の11人の町ポリエステル培地活用推進組合長の鴨原秀雄さん(75)、
同組合事務局長の安田秀吉さん(55)、
猪苗代町のカラー生産の、会津よつば農協フラワー生産部会カラー専門委員長の安達寿人さん(62)、
いわき市の平園芸社長の薄葉大介さん(41)を取材している。
全農福島県本部を通じて出荷された3~5月の花の出荷額は6237万円で、前年同期の9643万円に比べ、3406万円(35%)減少した。
県内では6月後半から9月にかけ栽培・出荷が本格化することから、全農県本部は販路回復に向けた取り組みを検討する。
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■さて、福島県内の現状について、どのようにすればよいのかは、日本農業新聞の6月4日付け論説が参考となる。→ 原文
販売戦略の再考 家庭需要へ対応強化を
2020年06月04日
論説
新型コロナウイルス禍を通じて、農畜産物の消費動向は生活様式と共に変わった。不況の足音が聞こえ、変化する販売環境に、産地は戦略の再考が求められる。鍵は家庭での需要だ。
政府の緊急事態宣言が1カ月半にわたり発令され、農畜産物の販売は「高級」「外需」「業務」向けで大きな苦戦を強いられた。ブランド和牛や高級果実は輸出やインバウンド(訪日外国人)需要が好調な相場を支えてきたが、世界的な感染拡大で減少。国内需要も外出自粛で、飲食店や式典・イベント向け産品の販売が大きく落ち込んだ。
家庭で過ごす人が増え、巣ごもり需要は高まった。スーパーや食品宅配各社の業績は軒並み好調だ。ハクサイやキャベツ、ジャガイモなどの生鮮野菜、ヨーグルトやチーズ、食肉、精米、手軽に食べられる冷凍食品やミールキットが伸びた。コンビニを中心とした中食市場に外食が参入し、持ち帰り料理の提供にシフトするなど激しく競合する。食事の場面は、家庭の外に向いていたトレンドから明らかに内へと回帰している。
5月の月例経済報告で政府は、新型コロナの影響で「景気は急速な悪化が続いており、極めて厳しい状況にある」と判断。消費者は節約志向に向かうとみられる。感染拡大の第2、第3波を警戒し、外食や観光業の復活は時間がかかりそうだ。支出を抑えられる内食需要の高まりは今後も続く見通しだ。
国内農業は、高級路線や輸出にかじを切った半面、ボリュームゾーンとなる家庭向けの対応が手薄だったのではないか。スーパーの食肉売り場を見れば、豚肉や鶏肉は国産の引き合いが好調だ。しかし内外価格差の大きい牛肉は、安価な輸入品が以前にも増して存在感を強めている。果実も百貨店に並ぶ高級果実は国産のブランド品が中心だが、スーパーで皮ごと手軽に食べられる種無しブドウは、輸入品が売り場を広げている。
高級ブランドは、相場のけん引役として重要な役目を担っているが、消費者が日常的に購入できる価格帯とは合わない。しかし、価格競争に走るのも危険だ。需要動向を捉えたバランスある生産販売が必要だ。
ヒントになる事例はある。「シャインマスカット」の贈答向け販売の苦戦を見越して岡山県では、県とJA全農おかやまなどが高価格帯を意識した大房化への偏りの改善を呼び掛ける。インバウンドをターゲットにした「飛騨牛」の産地は、生産継続の一助として購入型クラウドファンディングで1億1000万円の資金を集め、国内消費者とのつながりをより意識し始めた。シンクタンクの流通経済研究所は、節約志向の若者向けに値頃感を演出できる精米の大容量商品開発を提案する。
消費動向は目まぐるしく変わるが、農業生産は急には転換できない。しかし活路を開く取り組みは始まっている。災禍を機に産地は戦略の点検が重要だ。
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■日経MJ6月3日号は、岡山大学の松村圭一郎さんの「応援消費」の解説を掲載している(10面)。
消費(商品)と贈与(贈り物)の中間にある応援消費。
つながる消費 価値再発見
「当たり前」に疑問持って
若者 豊かさ分け合う
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■6月4日の福島民報4面の「経済羅針盤」では、社長の経営判断、状況分析について連載を続けている。
「賢い消費」傾向へ
生活必需品以外の商品、なかでも高価格なモノ・コトに対しては、より『慎重な消費』がしばらく続き、同様の機能・品質であれば少しでも安い方を選ぶという『賢い消費』の傾向が強まると考えている、、、、
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■6月4日夜のオランダ発のフローラルダイアリーのトップ記事はエリータベルカンプ記者によるもので、花の育種者(ブリーダー)の考える感染症の影響について、興味深く取材をされている。優秀な記者である。
(自動翻訳)で以下転載する。→ 原文はこちら"We're still doing fine, but there are challenges ahead"
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ブリーダーの観点からCOVID-19に影響を与える(Dekker Chrysanten Colombia)
「まだ順調ですが、課題があります」
生産者がCOVID-19危機に強い打撃を受けていることは明らかですが、連鎖の始まりであるブリーダーについてはどうですか?昨日開催されたPMAフローラルラウンドテーブルでは、菊の繁殖会社であるDekker Chrysanten Colombiaのアカウントマネージャーであるギジェルモマヘチャ氏が、パンデミックの影響を感じた、またはもっとよく言うと感じたときの感想を語りました。
ギレルモマヘチャはプロフローラ2019で、受賞歴のある品種の1つを誇らしげに発表します。
「これまでのところ、私たちはそれほど影響を受けていません。多くの生産者がしなければならなかったように、私たちは労働者をレイオフしたり労働時間を削減したりする必要がありませんでした。残念ながら、農場への訪問は制限されているため、私たちの品種は異なる場所で成長し、成長しています。」
しかし、もっと大きな課題が来ると彼は説明する。「最初に、2つの農場が廃業しました。そのうちの1つは私たちの大規模な顧客でした。一般的に、注文は50%減少しました。次に、他のコロンビアの栽培者の間で栽培面積がいくらか減少しました。最後に、米国国内での花の生産(地産地消)がますます人気になり、それが今度はコロンビアの輸出にも影響を与える可能性があります。これらすべての現在の傾向の結果として、今年の終わりには確実に見られます。」
ブリーダーとして何ができますか?「私たちの母会社であるオランダのDekker Chrysantenが必要になったときにバックアップしてくれることは幸運です。しかし、今までのところ、すべての従業員を維持して、育種を続け、新しい品種を市場に投入することができます。さらに、私たちは挿し木の生産を維持し、必要なときにいつでも必要なすべての品種を農場に供給できるようにします。全体として、私たちは農場と密接に連絡を取り、それらを維持するための解決策を探し、最終的には先に進みます。」
マヘチャは状況の深刻さを強調し、輸出はこのコロンビア国にとって、そしてさらに重要なことには、この国の人々にとって不可欠であると強調します。「母の日が米国の小売業者にとって良い日であったことを嬉しく思います。将来、すべての生産者はCOVID以前のように市場に花を供給し続けたいと思っています。しかし、場合によっては、コロンビアの人々半分の給与で同じ時間に働いているか、家に失業中です。彼らは美しい製品を生み出し、花の購入者らは彼らを助ける方法を考えるべきです。」 2020年6月4日(木)
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■花の流通の本拠地のオランダ在住の日本人の花関係者FBからうかがえる状況は、社会の仕組みの問題が表出してきていること、経済不調は5年は続くとみていること。
西川さんには2008年9月23日にエクアドルを訪問した際にお会いしている。エクアドルで農場を持ち花の育種をされていた。現在はオランダ在住。「仕事を半分にして、売り上げを2割減らす」