■2020年5月15日(土)
5月14日のズーム・フラワーサミット第2部で、森田憲久さんがご自身の事業について起業した目的は「ビジネスとテクノロジーの力で、古い産業の未来をつくるために設立」と語られていた。それで花を通信販売で売っている。
→会社のウェブサイト企業情報を見てみる。
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ウェブサイトの起業のきっかけは、突然の病気の告知。
今まで、ただ楽しいだけだった、みんなと乾杯している時間が、いかに幸せな時間なのか、その時、初めて気が付きました。ビジネスとテクノロジーの力で、古い産業の非効率を解消し、人と向き合う時間がもっと増えれば、きっと人生は豊かになる。そんな想いからBeer and techという会社は生まれました。
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花を現在扱っているけれど、それだけではないことがわかります。
→ Hito Hana(ひとはな)
第1部のパネラーの多賀城の鈴木貴資さんから配送・物流の質問が出され、進行役の井上英明さんが受け、「通販の場合の拠点をどのような基準で設置しているのか?」ということについて、切り花を扱って2年目の森田さんは、
「日本国内の地域に何日で配送したいのか?を考えて、需要のある大都市圏への配送を考えると、そして今年のような1極集中にしておくと機能不全になるので、多拠点ということになるので、東京・名古屋・大阪・福岡・仙台、、、、というようになる」
Eコマースでは、花キューピットの吉川登さんも「配送の集中等の問題から、4400店ある加盟店に、お客様に花束を取りに来てもらうという、仕組みも必要になっている」
第2部では、2020年5月10日の母の日から、「母の月」の店頭変化、、、そして30~40代の利用がオンライン・Eコマース主体になり、その受け皿としてどのように仕組みを作っていくのかが議論された。
吉川さんは「規模から品質に社会の需要は変化しており、アナログを補完するEコマース(ウェブ販売、オンライン)ではない」「トレンドを意識して、世の中を意識して、それぞれの体験をどうデザインしていくのか?」と語られた。
第2部では、井上英明さんが、自社の取り組みも説明され、「ローカル」「ホームユース」が課題で都心部出店だけのこれまでを振り返り「ローカル(地方)」を強調された。
2019年に新たに3名を雇用し外注していたものを内製化した。社内ですぐに形にできるようにした。それはグラフィックデザイン、パッケージデザイン、カメラマンの3名で、デジタル時代のデザイン向上を果たすため。
素材の花をただ売るのではなく、自社らしさを出すための「ソルト&ペッパー」がデザイナーの役割。
またウェブサイトの見直しで、外部のクリエイティブと根本的にウェブサイトを作り直す予定、、、
JFMAでは、ホームセンターの花苗、ギフト、Eコマースなど20年間にいろいろなトレンドを取り扱ってきたが、それが現実社会での展開がはじまっていることを実感するズームクラウドミーティングであった。
課題は第1部の宍戸純さん、第2部の磯村信夫さんが指摘したように、どのように需要と供給をつなぐのか、、、、単品大量周年生産に特化した業態では、その効率性を追求してきたため、シフトチェンジは難しい。花がだめなら、その技術を援用しての野菜・果菜栽培に転換することになってしまう。ミニトマトは補助事業で大型施設が乱立し、一定期間継続しないと補助金返還しなければならないので、移った野菜・果菜先でも花と同じ問題を抱えている。
航空輸送が止まり、世界各地・日本各地から首都圏卸が調達が難しくなっている。小川孔輔先生が語るように「県境を封鎖して」「地産地消の時代」を迎える時代になっている。
磯村さんは、「サンミツを避けるため」葬儀・婚礼・ホテル宴会等の業務需要が無くなり、白い花が売れない、業務需要に仕向けられていた上位等級の花が、量販店向け(本来秀Mクラス)になって、高価格帯の生産が立ち行かなくなっている。一方、四季を表現する草花類も安値が続いている。ホームユースのなかみにも変化が出ている。これまで仏花主体であったものが、外出禁止で自宅にいる30~40代の皆さんがスーパーマーケットで季節の花・洋花、、、黄色とかビタミンカラーのものを買われる。ホームセンターも各地域で本来の花苗・野菜苗の販売で、盛況になっている。
なお婚礼については8月末までキャンセルで受注が無いが、9月からは予定が見られる(宍戸さん)という。
葬儀は個人葬主体になっている。
→沖縄の事例 45%減少
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■ → 松島義幸さんの報告 → JFMA公式サイト野口さんの報告