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第4次台湾島からむし(苧choma)調査、shirabe 2018年11月21日(水)台北松山空港着。22日は桃園市へ。

■2018年11月22日(水)台北市内

   →写真はインスタグラムに掲載。


11月21日(水)午前10時、搭乗時間の2時間前。日本の東京羽田空港国際線ターミナルビルのエバー航空(EVA,長榮航空。中華民国(台湾)の航空会社)のチェックインカウンターに並び、パスポートを提示して予約した航空便への搭乗手続きと、スーツケース(荷物)を預ける。一人30kgまでは航空券の範囲で許容されるが超過分は追加料金を徴収される。一部書籍類を手荷物に入れ直し25kgで預ける(妻と二人で40kg)。

 その後、セキュリティチェックで、手荷物や身の回りの金属類が検査され、検疫・出国。大きな姿見様の自動パスポート出国器をセルフで行い、ゲート通過した。そのため、パスポートの押印は無い。こちらで対応するよう誘導された。


 指定された搭乗待合室で、遠藤由美子さん(奥会津書房編集長)と合流し、搭乗時間を待ち、搭乗する。エアバス300型330で、ほぼ満員の乗員。
 正午すぎ離陸し3時間30分後に到着した。
 現地時間は時差があり、午後3時着。

 台湾松山空港、機内では「ソンサン空港」と発話していた。タクシーで予約した宿に着いたのが午後4時すぎ。27℃ほどで、上着を脱ぎ、Tシャツ1枚になる。
 時間があったので、台湾国立博物館、台湾総督府の建物を見て、商店街を見て、台北車站(駅)地下街に新しく出来た誠品書店で本を1冊購入した。

 午後6時、投宿1階ロビーで、今回も旅の企画・案内・通訳をお願いしている馬藍さんと合流し、3階の食堂にて夕食・打ち合わせ。飲料は熱いお茶(ジャスミンティー)。同行の遠藤さん(奥会津書房)が編集・出版した、拙著『暮らしと繊維植物』(会津学別冊1号・11月15日刊)を贈呈する。馬さんの原稿も掲載されている(2017年5月の来村記録、漢語と日本語訳)。
 7時ころ昨年5月に来村されたヤオさんが来られ5人で日本語で懇談。昨年刊行された311の本についての反響等をうかがう。現在は日本の介護を取材し2年くらいかけて執筆される、という。
 湾生(戦前の台湾で生まれた日本人)の人たちが、生まれ育った幼少期の台湾の場所を訪ねて回顧録を作成していることが多くなっていることを知る。いずれ80歳代である。


 11月22日(木)は台湾時間で午前9時に宿を退出(チェックアウト)し、台北車站(駅)のホームに集合し、桃園市(国際空港がある)に向かう。午後、私はそこの孫老師の主催する工坊(教室)で、今年6月末に出版された拙著『生活工芸双書 からむし(苧)』について講演する。その街路の商人宿に泊まり、23日も終日、日本のからむしの糸のつなぎかた、つむぎ方の実演が行われる。夕方、高速鉄道にて南下し台中まで移動する予定。

■投宿している台北の宿の12階の部屋で書いている。インターネット環境は、宿の無料の無線のワイファイwifiに接続。ノートパソコンで。電源はそのままコンセントを使い100v。

■写真はデジタルカメラで撮影し、ブルートウースでタブレットPCにデータを取り込み、タブレットからインスタグラムに投稿掲載している。

■電子メールが届き、12月6ー7日ころ、野尻での予定が入りそう。返事を書いて送る。

■携帯電話は、所持しているものを、羽田空港で国際対応に切り替え手続きして、台湾島でも通常に使用ができる。ただSNS(ツイッター)接続等、すべて通信料が掛かる。
 台湾島内の移動時に、そのことはツイッター(携帯電話から文字)で掲載する。

  → 菅家博昭ツイッター

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■両手の指でつないだからむし(植物)の繊維に撚りを掛けるために、紡錘車が日本では大陸からの伝播で弥生時代から使用されたが、中世には糸車に転換した。

 日本の栃木県下野市の甲塚古墳kabuto-zuka kofunで出土した埴輪には地機と輪状式原始機の2種類の織機があり、注目されている(6世紀後半)。



 台湾島では、木綿の製繊では糸車が使用された(馬さん)というが、からむしでは紡錘車を現在も使用している。紡錘車の無い場合は、脚のもも上部に繊維を置き手で送り撚りをかけている。

 糸車を昭和村では「オツムギワク」と呼び、この場合はオ(を)とはアサのことを指す。アサの道具をからむしに転用しているためである。

 その回転を紡錘に伝えるのが「シラベ糸 shirabe-ito」という撚り糸で、木綿の細い糸を数本撚り製作する。このことについて、昨夜、馬さん、遠藤さん、洋子さんと私でかなり議論をした。
 馬さんは、台湾の古謡の歌詞に、「ジージー・フー・ジージー」という機織り作業一連の工程での擬音(オノマトペ)が採録されており、それは、糸車の作業工程を指すと思う、と即断された。
 ジージーとジージーの間のフーは、撚り掛けした糸を紡錘(くだ)に巻き取る行為、時間を指していると考える。

 シラベは、糸車が奏でる音を指すのだろうと考えている。昭和村では古くからシラベ(回転を伝える燃糸)と呼び、遠藤さんも「雅びmiyabiな道具の呼び名」と感じた、という。
 洋子さんは、先日、そのシラベ製作のことを教わり記録してきている。

オツムギワクで糸を紡ぐ菅家トシ。私の祖母である。
昭和村大岐。繊維はアサ。
woヲとはアサのこと。
ヲツムギワク。

回転を紡錘に伝える糸が「シラベshirabe」

写真は民族文化映像研究所(からむしとアサ)。


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しもつけ風土記の丘配付資料(2018年6月)


 以下は、甲塚古墳報告書(平成26年)より
地機(いざり機、機台腰機)

下は地機(いざりはた)
上奥が、輪状式原始機(無機台腰機)







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