■2025年1月2日(木)
■昨夜、芳賀英一さんからの資料が届き、檜枝岐村の資料を見直している。
『檜枝岐村の民俗』(2016年)に関礼子さんが書いている。12ページ。
檜枝岐村でとれる魚の代表はイワナ(岩魚)である。江戸時代に檜枝岐村の名主は会津藩にイワナを納め、イワナは檜枝岐村の特産品として会津から関東方面にかけて出荷されていた(『檜枝岐村史』1970年、219ページ)。
群馬県では、イワナの燻製を「尾瀬魚」と呼んで鰹節の代用とした(宮沢邦一郎「尾瀬の父 武田久吉 始めての尾瀬(明治38年)」、星光祥『檜枝岐道物語 山村に生きる』2012年)。
イワナ漁には、釣り、ズウ、ハネズウをかけてねじる(捕まえる)など、さまざまな漁法があった。たくさんいたので「手づかみ」という方法もあった。夜突きに行くときは、セイハダの木の皮をはいで灯をとり、松の木のヤニのあるところで灯をとった。カンテラも使った。昼は箱メガネで引き針りをした。腹をさわっても逃げないという習性を利用して、腹の下に針を通してから針を反転させて獲るのである。イワナは山仕事の時の常食だったという人もあれば、イワナは獲ってもお正月に干したものを食べるくらいだったという人もいる。
■立教大学の関礼子氏らにより調査執筆されている檜枝岐村文化財調査報告書は現在3冊刊行されている。第3集が前述書である。ほかに
第1集 『檜枝岐の山椒魚漁』(2012年)
第2集 『檜枝岐村の暮らしと地名』(2014年)