■2025年8月12日(火)
・短いものが価値が高い。
・8月11日(月)のカスミ草部会の売り上げを見ると、前年比78.1%。6月は多雪遅春の影響で6月上旬出荷数少なく高値。7月中下旬は2025年3月からの切り花安値(1箱1円、10円)への社会転換の影響で、出荷量は前年同数でありながら単価3割安。盆前に前年同額単価となっている。無雨の7月15日からの20日間(昭和村大岐)の後は、毎日雨になっており、開花遅延で盆に突入し、単価バランスがとれてきた(日照無くカスミソウ出荷量抑制)。6月中旬からの32℃天候(7月下旬の陽気)が2ヶ月、カスミソウの高温障害(団子花)による開花遅延も7月上旬から起きている(品種間格差が高い)。また試作の八重小輪多花品種は高温による未開花つぼみの発生、茎緑濃色での微細昆虫の飛び込み誘因で、品質劣化(特にスターシャワー)。次年度の栽培は見直す必要がある。優(B)規格でも出荷が難しく大きな課題となっている。
・6月中旬からの高温、降雨少は、アルタイルは小花一重に(冬2月のような)、スターマインとベール系は未開花つぼみが団子花(緑色大花)で開花遅延している。これまであまり影響がみられなかった高温障害が、大きな課題となっている。
・スソ赤防虫ネットと、屋根ビニル被覆しての、カスミソウ定植、これは高冷地の環境特性を殺す装置で、標高高い地域の当地を無意味にしている。また、2条植えのマルチ中央内部に灌水チューブをして、水を午後に流し込むことが、灌水ではないことを今年の定植苗の枯れの状況から大きな課題を見せている。灌水は早朝から午前8時まで、植物の気孔の呼吸を考えるとそのことが必要と前任普及員が主張していたが、それを実施する生産者はいない。高温の午後に意味のない灌水をして、定植苗を枯らしている。
定植後は1株ごと手灌水を1週間、そして活着したものであれば、早朝、水の灌水チューブ流し込みでも有効であろう。
また高温期の、プラグ苗の直接定植は無理。6月中であれば、気温・降雨の関係で意味はある。私の場合は7月定植はすべてポット苗に仮植したものを定植、5月、6月はプラグ苗直接定植。プラグ苗摘芯定植は見直し、プラグ苗直接定植の1ヶ月後に摘芯するのが実績が良い。
只見町布沢のカスミソウ篤農家 菅家和義氏から進められた福島市のフミン社のMRX(苗、定植時、定植後の)混入で1株ごと手灌水(ドウフン)1000倍施用は、根張り・初期生育の支援にはたいへん効果があった(発根力)。フミン社からMRXの提供を受けての試用であったが、熱い夏にはよかったと思う。
現在は、40年来試用している多木有機液肥1000倍とMRX1000倍の、1株ごとの手灌水(1週間に1回で、定植後4回)は、80cm秀品率が高くなっている。露地栽培。雨。高温回避は花芽分化期までは重要です。開花前屋根ビニール被覆。
■我が家の草花+カスミソウの8月11日時点の振込額は、前年比107%。前年年度末振込額の29%。
部会の8月11日実績は前年比78.1%。年度末実績の進度は33%。
■農協から市況ファクスの情報を、自分で、表計算ソフトに入力し前年との統計経過を見ている。
卸市場では、入荷数量減は高値になるのが通例だが、インターネット販売(事前販売が8割以上)となり、購入者が不在となる事例が多く、箱単価1円、10円というたぶんに卸市場による自社買い処分の様相が出ている(今年の3月から)。0円とすると出荷者には朗報なのだが、それが許されない仕組みになっている。
私の7月出荷草花では、0円(売れず、買い手がつかない)というものも40年来、再現。
サイズでは、80cmは100円、70cmは150円という草花が多くなっている。特にユーパトリウム。アスチルベ。つまり大きな穂のものは装飾場面がとても少ない(業務、生け込みが少ない)。そして30~60cmでの高単価が、この数年での大きな変化である。店頭販売小売り主体のなかでの大きな変化である。
土っ子田島ファーム湯田さんの推奨でのカネコ種苗のブルーフィズ(一重トルコギキョウ)栽培は3年目。400本苗プラグトレー1枚の栽培。15cm3目カスミソウ用ネット、カスミソウ用1条植えに3条定植で。8月5日から11日まで出荷。70cm4花開花・4芽つぼみ以上で、135円スタート(北海道産高温前進開花で安い)、しかし11日は250円(北海道産無く)。
連作障害回避のため、カスミソウとの輪作をしている。圃場は毎年変えて、露地雨除け栽培。
クレマチスは、既存ブランドの経験単価が優先し、花持ちなどの評価があまり見直されていない。たとえば8月11日(月)では60cmでロウグチ200円、クリル150円(ロウグチ同等で無名なため、矢祭園芸育成で、防除不要。うどんこ病耐性)、アラベラ125円。
2025年の特別試作の百日草は30cm(ザハラダブル・ラズベリーリップル)80円。サンシャインミックス・サンボウミックスは、50cm90円、35cm68円。
2023年から耐暑性作物として試作しているマリーゴールドは盆後の出荷。20品種試作。定植時期も8月1日(播種7月1日基準)、10日(7月17日播種)、盆明けこれから定植(8月1日播種、3日、11日播種)。直接播種は8月1日、プラグ播種晩限試作は8月11日播種。すべて、カスミソウ栽培越冬株の採花後圃場での後作(土壌改良含む)。採花後、地上部、根を引き抜き圃場外に搬出。ビニルマルチをはがし耕耘。ビニルマルチ不使用、不施肥での栽培。
定植後60日で開花。10月低温でも開花遅延はしないが、降霜被害があるので、露地状態での雨水管理で、土寄せ2回。カスミソウ15cm3目(一条植え)フラワーネット伸展。赤防虫ネットですそをハウスにまわし、屋根ビニルは成長後に被覆(耐霜対策)。
摘芯栽培か、抽台後に、中心花のみを摘蕾するかは、現在試行中(2024年から大輪5種、タイのアメリシード社の品種・カネヤ産業扱い、2023年は一重のフレンチマリーゴールド・グランドコントロールのみ)。
セリ科植物群は、自家採取が可能な、それがとてもよい成績がでるものと、購入種子がすぐれたもの(たとえばダウカス・キャロータ・ダラ、パープルキス)にわかれる。フェンネルは、無農薬での栽培は難しく、越冬率はブロンズフェンネルが優れている(2019年植え、7年の間、株が持続、野ネズミ害も無い)。フローレンスフェンネルは1年草としての利用が良い。こぼれタネの発芽では、ホワイトレースフラワー(クイーンオブアフリカ)、グリーンミスト(春蒔き植えでも、こぼれタネの発芽でも、いずれもニンジン黒腐病多発する)。
-----
■高温耐暑、熱い夏(40℃)。注目されているのは、ケイトウ類(特にヤリゲイトウ、穂咲きのもの)、センニチコウ、マリーゴールド、百日草等。