3/22(木)畠神社、死に石 渥美半島のかすみ草とキャベツ

■2018年3月23日(金)
 
 愛知県内滞在3日目。今日はレンタカーをJR豊橋駅前に返却し、隣県静岡の浜松市周辺の花き産業の調査をして、夕方には東京経由で会津へ帰郷する予定(大阪3日、愛知3日)。相互作用をみる→みんぱくの環境生態学

 その作物を続けるために、必要な別な作物。奥会津の昭和村でいえば、woと、karamushiのような関係。キャベツとかすみ草。産地調査は土地の農家の行為の全体像をみなければならない。

  キャベツ(露地作物)+ かすみ草(施設栽培)

 と見ることで、専業化して施設建設を増やして過剰投資としないためにも、手間のかかるキャベツ(露地栽培)を残す。それは長期間、同じ品目が社会に受け入れられることは少なく、変動していくので、その際にも、施設過剰投資すれば後戻りできなくなる。社会変動を踏まえた永続的に経営できる均衡点を探すことが経営の主体となる。
 その時点で価値のあるものを周年化してみても、社会状況・国際状況、なによりも施設で緩衝できない気候変動(重油等の価格高騰も含め)がある。

 
 
■3月22日午後1~8時。渥美半島のかすみ草の圃場を巡回し、地元の生産者の皆さんに案内していただきながら懇談をした。5軒の生産者の、10カ所ほどの圃場を歩いた。博物館でのギャラリートークのような感じ。
 荒木さん、農協の夏目さんには特にお世話になった。

 
 とても美しいかすみ草であった。スターマイン、エクセレンス、ベールスター各種、アルタイル各種、ティアラ。
 
 いろいろ話をうかがっていて、気になる言葉を後段に書いてみる。
 
 到着時間が早かったので、中心地の福江の郷社畠神社、郷土資料館も見た。旧石器時代の宮西遺跡の細石刃、縄文草創期の微隆起線文土器片、弥生時代の紡錘車等の出ている遺跡と、中世までの窯跡も多いので渥美半島の森林は無くなっていただろうことが想像できた
 
 
 消防士であったが、54歳から、自家での、かすみ草栽培をされているSさん(64歳、昭和19年生)が、水田を埋めてる話のなかで次のような語句を語られた。
 水田は埋め立てカンランの畑にする人が多いというなかで、私はどのような土がよいのですか?と3名の地元の方にたずねたところ、
 「しにいし(死に石)が良い」

 それを具体的に聞くと、山を切り崩して土砂をダンプで運搬する(50台分は、50杯と発話される)。その土は買うのだそうだが、水田の質にもより入れる土の量は変わる。湿田だと多く必要になるし、乾田だと定量ですむ。
 自家用として2反歩も水田があれば水稲栽培で間に合うが、それ以外はほとんど埋め立てている。
 1反歩の水田に10トンダンプ1台の土を入れならすと、厚みとしては1cmほどの量になる。それを50杯paiいれれば50cmの厚みの畑が出来る、ということだ。

 その際の客土(盛り土)としては、「死に石」が良いという。「2年も使って細かくなる石のこと」という。
 つまり畑を耕運する際に破砕される粘度(硬度)の石で、細粒になっていくもの、ということと私は聞いた。

 熊本県天草地域の大矢野島でのかすみ草栽培では、かすみ草を植えるビニルマルチ上に、黒っぽい細石を置く。風でマルチが飛ばされないようにするものだが、それはいずれ細粒となり畑の土になる。似たような感じがした。

 渥美半島はキャベツの大産地で、かすみ草農家のほとんどがキャベツも栽培している。冬春夏のキャベツ出荷と、秋冬春にかすみ草を出荷している。花の専業ではないから、よい品質のかすみ草ができるのだ、と語る人が多かった。
 渥美半島は定期的に訪問しているが、この4年間でかすみ草の栽培は大きく変化している。27cm株間で3本仕立てであったものが、現在は2本仕立てになっている。品種もアルタイルからスターマインに転換される生産者が増えていた。ただし各品種とも夏植えの苗の状態が良くないため、品種をさらに変化するきざしがあった。
 専業農家なのだが、切り花をかすみ草から草花類に転換する生産者も数名でている。しかし、キャベツをやめる農家は無い。キャベツが柱で、かすみ草は「添え」だ、という(別のS氏)。

 なぜ3本仕立てを2本仕立てにしたか、、、その理由がたいへん重要であった。採花率の問題であった。取得本数ではなく、ハウス内にかすみ草を残したくない、、、つまり3本仕立てでやると一斉開花時に取り残しが多くなる。そのため本数をさらに減らすと、キャベツ収穫と、かすみ草の収穫が両立できるのだ、という。
 一般的に、ハウスあたりの取得本数を増やすべく、仕立て本数を増やしていくのが主産地の取組の主体であるが、時期によりハウス内の後片付け整理にかかる手間、そして低日照期のマゴメ(柳芽)を防ぐための仕立て本数制限で、独特の出荷規格仕様である「葉取り」への調整手間も含め、採花本数を減少させる方向が、キャベツとの両立のためである、という。私なら「葉取り」を止め、採花本数を増やした方が、合理的ではないか?と思うが、それは違うのだ、と皆語る。

 1軒あたりの栽培面積を増やさないことが、産地を維持することになる、という哲学。そしてかすみ草専業としないことが重要だ、とする。

 カンラン、、、、キャベツのことを現地では、このように発話されている。

 → 写真はインスタグラムに掲載しました(帰郷後、この欄下に掲載予定) インスタグラムが読めない場合もあります。
 
 

カンラン(キャベツ)


キャベツとかすみ草ハウス

重油(加温)

電照(深夜4時間)

かすみ草
加温す花びらの枚数を確保



フラワーネットは
下に15cm4目
中位にサイドネット
上に30cm2目
マス目ネットのサイドには撚糸を巻く

2本仕立て
下位節の芽は取る

切り戻し
2本仕立て、母の日開花用

渥美半島の中心、福江の郷社
畠神社





近世の陣場跡(役所跡)


アサリ

採土場

役場のなかに
農協事務所がある

渥美郷土資料館


宮西遺跡等(旧石器時代等)


弥生~古墳時代の紡錘車
糸撚りに使用(つむぐ)

高機

漁労具

近世資料